続く道 花の跡

『続く道 花の跡』を読了。読切のWebマンガ。Twitterで多くの方が絶賛していたため読んでみました。週刊少年ジャンププラスのサイト続く道 花の跡で無料で読めます。

日本初のコンピュータの開発にまつわる話。ノンフィクションではありませんが、実話を元にしています。小田原のふりっぷちゃんは富士フイルム工場でのFUJICで、岡城課長のモデルは岡崎文次ですね。
私は直接にお会いしたことはありませんが、学生時代に岡崎文次の名前はたびたび聞いていたため、親しみを抱いていました。作中の真空管でフリップフロップを作るとのシーンで出てくる回路図に電子計算機概論の授業を思い出し、懐かしく苦々しく感じます。

ストーリー中盤ではラッダイト運動のように機械を壊そうとしますが、最近のAIや大規模言語モデルの発展とAIの利用を規制しようとのニュースが重なります。
私は規制するのではなく有効に利用するほうが良いのではと考えますが、一方で小学校の授業には計算機やスマホは使わないほうが良いのではとも考えており、このマンガで過去の歴史を振り返ることにより、技術と人間との付き合い方を考えさせられました。

計算は計算機が行い、炊事も洗濯も掃除も機械がやってくれるようになる未来が現実になりました。多くの職業がなくなりましたが、プログラマーやYouTuberといった新しい職業が登場しました。需要と供給が一致しない就職難でかつ採用難な時代ではありますが、失業しても社会福祉により生きていけるようになり、労働環境も生活環境もこのマンガの時代に比べれば改善しています。技術の進歩により便利になり豊かになり幸せになっていると私は考えます。

人間が作った技術と人間の生き方に考えさせられ、人生の素晴らしさに感動させられたマンガでした。