Nintendo SwitchでVirtual Boy

1995年に任天堂から発売されたVirtual Boy。
発売から30年以上が経ち、私の中でも長いこと「昔好きだったゲーム機」のひとつになっていました。
ところが2026年、任天堂がNintendo SwitchでVBを遊べるようにしてくれました。

そもそも要るのか?

このVBのニュースが出た時に私は悩みました。
そもそも要るのか?
なぜなら、私は実機を所有しています。
動かなくなっていたのですが、アメリカから部品を取り寄せて修理をしました。
また、ソフトウェアも、日本国内のものと海外のものと、販売中止になった開発途中のソフトウェアまで、ほとんど所有しています。
別にエミュレータなくても良いのではないか?
なぜなら実機あるし、とも思っていたのですが、
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まずは購入

Nintendo SwitchでVBを遊ぶには、当時のVBを模した専用ハードを使います。
用意されたのは、本物のVBを思わせるプラスチックモデルと、手軽なペーパーモデルの2種類。
「どちらを買おうか?」とは、あまり悩みませんでした。両方買いました。


せっかく30年ぶりにVBが帰ってくるのですから、本物に近い形でも遊びたい。でも、ペーパーモデルがどんなものなのかも気になる。
こうして2種類のVBを買ったところから、私のVB熱は思っていた以上に再燃していきました。

そして、昔のことをいろいろと思い出しました。
実は私はかつて、VBの業務用開発キットまで持っていたのです。

VBの業務用開発キット

任天堂から提供してもらったわけではありません。
ヤフオクで見つけて購入しました。値段は確か10万円くらいだったと思います。
それが、Intelligent Systems製の「VUE Development System」です。
VBは「VUE」というコードネームで呼ばれていて、この開発機にもVUEという名前が使われています。
当時撮った写真が残っています。

今見るとなかなかすごい機械です。
Virtual Boy本体の横に巨大な開発機が置かれ、PCとはSCSIで接続します。
畳に直に置いているのにも四半世紀の時の流れを感じます。

背面には「SCSI HOST」と書かれた端子が並んでいます。
現在のゲーム開発環境から見ると、完全に別世界です。

開発機はあった。でもゲームは作れなかった

これだけのものを手に入れたのだから、当然、自分でVirtual Boyのゲームを作ってみたかったわけです。
ところが、作れませんでした。
当時の私には技術が足りませんでした。
今のようにインターネット上に開発情報が豊富にあるわけでもありません。
当時の開発ソフトウェアのCのソースやヘッダファイルのわずかなドキュメントだけが手掛かりでした。
GitHubもQiitaもStack Overflowもありませんし、Planet Virtual Boyもおそらくなかったと思います(少なくとも知らなかった)。
分からないことを生成AIに聞くことなど、もちろんできませんでした。
業務用の開発機を手に入れたところで、それだけでゲームが作れるわけではありませんでした。
いま振り返ると、「道具は持っていた。でも、それを使いこなす技術がなかった」ということだったのだと思います。

開発機を持ってイギリスへ

結局、この開発機は手放すことにしました。
2003年にヨーロッパを旅行したとき、イギリス、オランダ、ベルギー、フランスへ行きましたが、実はこの旅行には目的がありました。
Virtual Boyの開発キットをイギリスまで持って行くことです。
イギリスに住んでいた友人を通じて、その友人の知人に開発キットを売ることになり、日本から自分で持って行きました。
20年以上経った今では、もうほとんど入手できない機材です。
今になって考えると、「売らずに持っておけばよかったかな」と、少し思います。
ただ、当時持っていても自分では活用できませんでした。必要としている人のところへ渡ったのですから、それはそれでよかったのでしょう。

そして、さらに火がついた

Switch版VBをきっかけに再燃したVB熱は、専用ハードを2種類買っただけでは収まりませんでした。
「そういえば、昔できなかったことを今ならできるんじゃないか?」と思い始めたのです。

自分でVBのゲームを作りたい

30年前にやりたくて、業務用の開発機まで買ったのに、結局できなかったことです。
そこで今回、VB用FlashCart「MrCART」も購入しました。
昔は巨大な業務用開発機をSCSIでPCにつないでいました。
いまはSDカードです。
そして変わったのは開発環境だけではありません。
私自身も、この30年間ずっとコンピューターの仕事をしてきました。
昔は、「開発機はある。でも自分には作れない」でした。
今は、「昔の開発機はない。でも、今なら作れるかもしれない」 になりました。

最初から大作を作ろうとは思っていません。
画面に何かを表示する。キャラクターを動かす。左右の画面に違う映像を出して、立体に見せる。そんなところから始めればいいと思っています。
それでも、自分で作ったプログラムがVirtual Boyの実機で動いたら、たぶん相当うれしいでしょう。
30年前にやろうとして、できなかったことですから。
VBは商業的には短命なゲーム機でした。
でも私の中では、まだ終わっていませんでした。
今度こそ、自分で作ったものをVBの赤い画面に映します。

続く、かも。